- ポイント
±0第七回本公演「象」
入院中の「病人」をその甥である「男」が訪ねてくる。「病人」はヒロシマへの原子爆弾によるヒバクシャで街頭で裸になって背中のケロイドを見せ喝采を浴びていたが、既に病状が悪化し今は入院をしているようだ。二人の会話から「男」もヒバクシャであることが明らかになる。
男:静かに死んでしまいたいとは思いませんか?
病人:思わないね。俺はむしろ、死ぬ前に殺されたいと思っている。
男:何故?
病人:知らん。情熱的に生きたいのさ。
「病人」はまた元気になってあの町でケロイドを見せたいと願っているが、「男」は静かにそのときを待つべきだと主張する。二人の生き方の違いを主軸に据えながら、「病人の妻」、医者」、「看護婦」など二人をとりまく様々な人々の姿から、ヒバクシャの抱える問題、それをとりまく世の中の問題が垣間見えてくる。そして遂に「男」も発病し、「病人」の隣のベットへと入院することとなる。あくまでも行動的な「病人」とは対照的に静かに死を迎えたいと願う「男」。ある雨の日、ついに「病人」はあの町へ出かけることを決意するのだが・・・。
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