銕仙会能楽研修所 のチケット情報

600年を超える日本最古の伝統芸能といわれている能を現代語の対話劇で表現する

新しい試みである。

言葉を置き換えるのではない。設定を現代に変えてみるわけでもない。文脈を丁寧に探り出して、脈を確かめ、流れの向きをほんの少し変えて現代に注ぎ込む。そこには驚くほど現代とリンクした物語が浮かび上がってくる。

現代の演劇界で数々の戯曲賞を受賞し、社会問題を鋭く打つ作風で異才を放つ劇作家のくるみざわしんが脚本を手掛け、古典能から新作能のプロデュース・演出を長年手掛けてきた笠井賢一との初タッグで挑む。

今回の題材は能『蝉丸』。高貴な生まれながら異形であったために、捨てられた姉（逆髪）弟（蝉丸）の出会いと別れを描き、また帝からの命で盲目の蝉丸を捨てに行く清貫の企みまで三人の心の内を丁寧に描く。また能楽堂の独特な空間で琵琶や笛、パーカッション奏者による生演奏での特長的な舞台。

能に現れる死者と生者はなぜ出会い、何をなして別れるのか。そのこまやかな心の動きを会話で、対話で、現代語で表現する新しい能のスタイルとなる。言葉は今の時代の矛盾と苦悩を指し示し、登場する死者と生者はその矛盾と苦悩のなかで七転八倒する。今を生きる私たちと変わらない。新解釈の現代語で味わう本シリーズは能のたましいと現代をつなぐ。

【公演ホームページ】https://myrtle.co.jp/arts/